食事は単なる栄養補給ではなく、身体と心の健康を支えてくれるものでもあります。第1弾となる「収蔵資料紹介」では、昭和医科大学病院と昭和大学病院の病院食で使用された食器類を紹介します。
病院食に関する記録は、当ミュージアムにはあまり遺されていませんが、昭和大学新聞第8号(1964・昭和39年)に関連記事がありましたので、これをもとに当時の給食の様子を覗いてみましょう。
1964(昭和39)年、昭和医科大学は昭和大学と改称され、「給食部事務室」も同時に「栄養課」になります。当時の入院患者500名の食事は、栄養課の職員(栄養士15名、調理師3名、調理補助員23名)によってまかなわれました。食事は常食(普通の食事)が300名、軟菜食(全ガユ、分ガユ、流動食)が100名、減塩食、糖尿食、肝臓食、胃潰瘍食等が100名の割合で提供されており、減塩食は患者の病状にあわせて更に細分化されます。 調理された食事は、配膳室へ運ばれた後、看護士 (現 看護師) によって各病室へと運ばれました。
記事では、患者ひとりひとりにあわせた献立を、ミスなく給食するために奮闘する女性職員の姿が取り上げられています。病院での入院生活は、患者さんの「おいしい!」のために働く栄養課の女性職員たちによっても支えられていました。
(2024年10月 中根聖可)
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